出会ってから、もう15年以上になる。
最初は頼りになるのか半信半疑だったけど、あの日からずっと、そばにいてくれた。
寒い夜も、腰の痛みで眠れない夜も、彼女は何も言わず私を包み込んでくれた。
私が一人で旅に出ようとしても、必ず彼女は着いてきた。
不安や孤独を感じる前に、彼女の温もりが先に私を覆ってくれる。
彼女には私の名前を刻み込んだ。
だから、どこに行っても誰にもさらわれない。
「これは私のものだ!」と、大勢の前で胸を張って叫べるし、抱きしめても良い存在だ。
恥ずかしいどころか、むしろ誇らしい。
被災地へ行くときも、彼女は必ず一緒だ。
現地の冷たい夜風を防ぎ、疲れ切った心と体をそっと守ってくれる。
彼女は文句一つ言わない。
ただ静かに、私を温め続け、眠りに着くまで見守ってくれる。
……でも、最近気づいてしまった。
周りには、新しくて軽くて、保温性も抜群な子たちがたくさんいることを。
ふわふわでカラフルで、ジッパーもスムーズに動くあの子たち。
つい、禁断の手を伸ばしてしまいそうになる。
長年連れ添った彼女に申し訳ないと思いつつ――ポチッとやりそうな指を咥えてみる。
君が悪いわけじゃないんだ。
私は煩悩の塊なので欲しいものがいっぱいです。
| 商品の状態 | 傷や汚れあり","subname":"多くの人が見てわかるような傷や汚れがある |
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